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確定申告書を郵送する場合の方法は?具体的な手順や注意点を解説

「確定申告書って郵送できるの?」
「郵送で送る時の注意点は?」
「なんの書類を同封すればいい?」
毎年恒例の確定申告ですが、提出方法で迷う方もいるのではないでしょうか。

本記事では、確定申告書の提出方法にはどんなものがあるか、郵送で送る場合の手順や必要になるもの、提出方法による違いは何か、注意しなければならないのはどのような点かなどを解説しています。

この記事を読めば、確定申告書を郵送で送る場合のメリット・デメリット、直接持っていく場合と何が違うのかなどがわかり、郵送で提出する場合の疑問を解決できます。これまで郵送で提出したことがない方でもつまずかずに提出できるでしょう。

直接提出することが難しい方や、郵送での提出方法を知りたい方はぜひ最後まで読んで、参考にしてください。

確定申告書類の提出方法

確定申告書類の提出方法

確定申告書類の提出方法は、郵送で提出、e-taxにて提出、窓口にて提出の3つがあります どれか1つを選び、提出しましょう。

混んでいても、直接係員に相談したいという人は窓口への提出、そうしなくても良いという人は郵送かe-Taxでの提出を選択するのが良いでしょう。

それぞれの提出方法について解説します。

出典:申告書の提出方法|国税庁

郵送提出

郵送提出を選んだ場合、確定申告書を記入し、封筒に入れて送付します。送付先は所轄の税務署です。自分の所轄の税務署がわからない場合は、国税庁のホームページで郵便番号や住所から調べられるようになっています。

確定申告書は、いわゆる「信書」(特定の相手に送る文書のことで請求書や契約書などが含まれる)扱いになり、定められた方法でのみ郵送することができます。ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストでは送れません。

税務手続きに関する書類は、基本的には税務署などに書類が到着した日を提出日とするとされていますが、確定申告書については定められた方法で郵送された場合、通信日付印(いわゆる消印が押された日付)が提出日とみなされます。

日付印が期限内になるよう、なるべく早めの提出を心がけましょう。

出典:申告書の税務署への送付|国税庁

出典:税務手続に関する書類の提出時期|国税庁

e-Taxにて提出

e-Taxとは、国税に関する手続きをインターネットで行う「国税電子申告・納税システム」のことです。

「システム」という名の通り、国税(所得税、法人税など)の電子申告をしたり、電子納税をしたりする時はこのシステムを通じて行います。

e-Taxを使用して確定申告をする場合、PC、ICカードリーダー、もしくはマイナンバーカード読み取り可能なスマートフォンなどが必要です。

出典:申告書の提出方法|国税庁

出典:e-Taxの概要・利用全般|国税庁

窓口にて提出

窓口にて提出する場合、所轄の税務署の窓口に書類を持って出向き、提出します。税務署が開庁している時間に持っていけない時は、税務署の外に「時間外収容箱」が設置されているため、封筒に必要書類を入れて投函します。

また、確定申告の時期になると「確定申告会場」が開設されるため、そちらに提出することも可能ですが、不備があると受理されませんので注意しましょう。また本人確認のため、身分証明書が必要になります。

出典:申告書の提出方法|国税庁

確定申告で郵送利用の場合の手順

確定申告で郵送利用の場合の手順

郵送提出を選べば、窓口に直接出向かなくても、自分の都合に合わせて提出できます。では、郵送する場合は、どのような準備が必要となるのでしょうか。

ここでは郵送の準備から発送までの手順を解説します。

郵送先の確認

郵送で提出すると決めたら、まずは郵送先を確認しましょう。先ほども触れましたが、確定申告書類は「所轄の税務署」に提出します。「所轄の税務署」とは、「確定申告しようとしている時に住んでいる住所を管轄している税務署」です。

国税庁のホームページに「国税局・税務署を調べる」というページがあり、郵便番号や住所、地図などから所轄の税務署の住所などが調べられるようになっています。

宛先を間違えないように、確認しましょう。

出典:【申告書の提出】|国税庁

送付用封筒の用意と切手代の確認

次に、送付用の封筒を準備し、切手代がいくらかを確認しましょう。

確定申告書用紙は折って郵送しても問題はないですが、一緒に添付する書類が多いため、あまり小さい封筒にすると入りきらなかったり、破れてしまったりする可能性もあります。

そのため、角2と言われるA4サイズの封筒で送るのが一般的です。どうしても折りたい場合は3つ折りにして、長3サイズの封筒で送ります。

切手代は日本郵便のWebサイトなどで料金をよく確認し、料金不足にならないように貼りましょう。

宛名の記入

封筒と切手の準備ができたら、封筒に送付先(宛名、住所)を書きます。書き方は、一般的な手紙を郵送する場合と特に違いはないのですが、宛名は担当者個人ではなく、税務署になるため「○○税務署御中」とします。

そして「所得税確定申告書在中」と赤色で四角く囲って、記入しましょう。裏側には自分の名前、住所を記入します。

確定申告書のコピーと返信用封筒の用意

作成した確定申告書のコピーを取ったら、返送用封筒に自分の住所と名前を書き、返信用の切手を貼った状態で同封します。必須ではありませんが、税務署から後に収受印を押されたコピーが返送される時に役立ちます。

ひと手間増えますが、住宅ローンや自動車ローン、部屋を借りる場合など、確定申告書の控えの提出を求められる場面は多いものです。確定申告をする際には控えをもらい、保管しておきましょう。

確定申告書の送付

ここまできたら、記入漏れはないか、必要書類が揃っているかを確認します。自分なりのチェックリストを作成しておくと、不足しているものがわかりやすいでしょう。封をしてのり付けし、発送します。

税務署が遠い場合などに郵送での提出は便利ですが、郵便事情などによっては到着するまでに時間を要することもあります。余裕を持って早めに提出するようにしましょう。

確定申告書と共に同封する書類

確定申告書と共に同封する書類

ここまで郵送提出の流れを見てきました。確定申告書は、申告書のみを提出するわけではなく、記載されている内容の証拠となる書類の添付が必要です。

添付する書類は申告書に同封して送りますが、書類は申告する人によって変わります。何を送るのか、何枚必要なのかなどを確認しておきましょう。

本人確認書類

「本人確認書類」は、マイナンバーカードがあればマイナンバーカードの表裏両面の写し、ない場合は、通知カードなどのマイナンバーを確認できるものと運転免許証などの身元を確認できるものを同封します。

マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類と身元確認書類の両方が必要となりますので、どちらか1つだけにならないよう注意しましょう。

出典:申告書に添付・提示する書類|国税庁

各種控除証明書

確定申告において「控除」されると、課税の対象となる金額が減るため税額が少なくなります。この控除を受けるためには証明書が必要となります。それが「各種控除証明書」です。

代表的なものには「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」「生命保険料控除証明書」などがあります。

その他、住宅ローン控除を受けたい人は、不動産の売買契約書の写し等が必要です。医療費控除を受けたい人は、以前は医療機関の領収書の添付が必要でしたが、現在は「医療費控除の明細書」を作成して添付しなければならなくなりました。

自分が受けたい控除に、どういった証明書が必要なのかを良く確認し、紛失しないようにしましょう。書類をまとめる際はホチキスではなく、クリップで閉じる方が良いでしょう。

出典:確定申告の際にご持参いただくもの|国税庁

出典:所得税等の確定申告書を提出する際に必要な書類はどのようなものですか。|国税庁

確定申告書を郵送する際の注意点

確定申告書を郵送する際の注意点

確定申告書を郵送で提出する場合、窓口に提出する場合と違って係員のチェックは受けることはできませんし、質問をすることもできません。したがって、中身に間違いがないか、書類の不備がないかなど細心の注意を払う必要があります。

ここでは、郵送する際の注意点について紹介していきますので、参考にしてください。

確定申告書の期限の確認

郵送の場合、特に気をつけなければいけないのは期限を確認することです。

確定申告の期限は、通常3月15日までです。前項で触れた通り、消印が押された日が受け取った日とみなされるため(当日消印有効)、期限ギリギリで提出する場合は3月15日の消印が押されるかどうかがポイントになります。

したがって、ポストに投函する場合、遅い時間に投函すると消印が翌日の日付になってしまうことが考えられるため、いつまでに投函をしなければならないのかを考える必要があります。早めの時間に投函するか、不安な場合は郵便局に持っていくのが確実でしょう。

期限に間に合わなかった場合、申告自体は可能ですが(期限後申告)、ペナルティとして「無申告加算税」や「延滞税」の対象となる場合があります。

出典:申告書の税務署への送付について|国税庁

出典:No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁

確定申告書に記入漏れがないかを確認

郵送で提出する場合は、作成者が責任を持って記入し、完成したものを送付することが前提です。

記入漏れや添付書類不備がないかは、封を閉じる前に確認しましょう。不明点がある時や不安な場合は、国税局のチャットボット「ふたば」やタックスアンサーで調べてみる、電話で相談したい場合は、国税局電話相談センターや税務署に確認するなどして問い合わせをしましょう。

郵送後誤りが判明したら再提出

期限内に郵送し、提出できたとしても、書類の不備や記入漏れなどのミスに気付いたら、再提出しましょう。この時注意したいのは、確定申告の期限までに提出することです。

万が一期限日を過ぎると、別の手続きが必要になります。また、税務署の調査後に修正したり更生したりすると、過少申告加算税や重加算税がかかることになるため、十分に注意しましょう。

出典:【申告が間違っていた場合】|国税庁

確定申告書を郵送するメリット・デメリット

確定申告書を郵送するメリット・デメリット

確定申告書を郵送で提出する場合のメリット・デメリットは、どういったところにあるのでしょうか。大きなメリットは窓口提出に比べて時間を短縮できる点にあり、デメリットは再提出になった時に時間がかかる点です。

ここでは郵送提出のメリット及びデメリットについて、詳しく見ていきます。

メリット

確定申告書を郵送するメリットは手軽にできるところです。税務署窓口、または確定申告会場まで持参するとなれば、たとえ距離が近い場合でも、ある程度の時間は取られます。その点、郵送であればポストに投函するだけであるため、時間も労力も軽減されます。

また、新型コロナウィルスの流行が未だ収まっていない現在、感染予防のためにも、混雑している窓口に行かなくても良いというのはメリットです。

デメリット

デメリットは、窓口に提出する場合のように、職員によるチェックが受けられない点です。このため、初めて確定申告をするなど慣れていない人は、確定申告書の郵送は避けたほうが良いでしょう。

また、重さや封筒の大きさによって料金は変わってきますが、切手代、郵送料がかかってしまうことが挙げられます。

その他、郵便である以上届くまで日数がかかること、普通郵便の場合、届いたかどうか確認できないこと、場合によっては何日も届かない事態が発生する可能性があることを考慮しなくてはなりません。

間違いがあった場合、再提出となれば時間が非常にかかってしまいます。期限に間に合わない事態を避けるため、郵送する場合はミスがないようチェックし、余裕を持って早めに提出しましょう。

確定申告書を郵送する場合は記入漏れや誤りのないように

確定申告書を郵送する場合は記入漏れや誤りのないように

確定申告書類を郵送で提出する場合は、記入漏れや誤りなどの書類不備がないよう確認を徹底すること、時間に余裕を持って提出すること、この2点が非常に大切です。

初めての人や不慣れな人より、ある程度確定申告に慣れている人に向いている提出方法と言えるでしょう。

手軽な郵送提出ですが、結果、手間と時間がかかってしまっては意味がありません。郵送提出のメリットを感じられるよう、送り方のルールを守り、見直しを念入りに行いましょう。

※初回公開日:2023年1月13日

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

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