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昇給ありなのに昇給しないのはなぜ?違法にならないのかや対処法について解説!

「昇給ありって思ってたけど、昇給しないのはどうして?」
「昇給しないのは違法になるんじゃないの?」
「昇給しないときの対処法が知りたい!」
このように、契約の際の書面では昇給ありと記載されていたのにもかかわらず、なかなか昇給がないことを疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、昇給ありなのに昇給しないのは違法になるのか、そして、昇給しない場合の理由や対処法を紹介していきます。記事を読むことで、自分の置かれている状況がどれに当てはまるか把握できるだけなく、どのように対処していけるかを確認することができるでしょう。

本記事を参考に、契約書にあった「昇給あり」の文言について正しく理解しましょう。

「昇給」の種類は3つある

「昇給」の種類は3つある

「昇給」とは、業務実績や能力、職務上の昇格、勤続年数など様々な要素を考慮に入れて、賃金がアップすることを意味します。昇給といっても3種類に分類でき、企業によってどの昇給方式を採用しているかは異なります。

まずは、昇給の3つの種類から確認していきましょう。

1:定期昇給

「定期昇給」とは、ある決まった時期に賃金がアップする方式のことを指します。

昇給の回数・時期は各企業の給与規定によって定まっており、一般的には毎年1〜2回程度の定期昇給が行われるでしょう。主に、「年齢」「勤続年数」「業務成果」にあわせて昇給が決められるとされています。

2:臨時昇給

「臨時昇給」とは、定期昇給のように時期を定めず、状況や必要に応じて臨時的に賃金がアップする方式を指します。

たとえば、企業全体の業績が好調のときや個人が優れた成績を修めたときなどに支給されます。ほかにも、ある従業員に通常業務以上の負担がかかる場合や、かかる見込みの場合にも、臨時昇給が行われることがあるでしょう。

3:ベースアップ

「ベースアップ」とは、会社の業績に応じて、全社員の給与を一律で上げる昇給方式です。英語の「base up」からイメージすると分かりやすいでしょう。景気や企業の業績が好調になれば、ベースアップの割合は上昇する傾向があります。

たとえば、会社の経営陣と労働組合が賃金交渉を行う春闘を通して、基本給数%のベースアップが決まると、全社員の基本給がその分上がるという仕組みになっています。

定期昇給なしの会社割合はどのくらい?

定期昇給なしの会社割合はどのくらい?

そもそも定期昇給制度のない企業は、一般的にどれくらいあるのでしょうか。

厚生労働省が調査した「令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると、定期昇給なしの会社の割合は、管理職では25.5%、一般職では16.9%となっています。

全体で見ると、およそ2割強もの企業で定期昇給制度がなく、定期昇給がないのはそれほど珍しくないと解釈することもできるでしょう。

出典:令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況|厚生労働省(PDF)

昇給ありなのに昇給しないのは違法にならないのか?

昇給ありなのに昇給しないのは違法にならないのか?

契約書には昇給ありと記載されているのに、昇給しないのは違法にならないのでしょうか。ここでは、昇給に関する就業規則のルールについてポイントを2点確認していきます。

労働基準法に関するため、しっかり把握しておくことで、今後の転職活動時に役立つ知識となるでしょう。

昇給に関する事項は労働者への明示が必要

労働基準法第15条によると、就業規則に定められた「昇給の有無」「昇給の時期」に関する労働条件は、労働者に対して必ず明示しなければなりません。記載あるいは口頭での伝達がない場合には、違法の可能性があるため注意しましょう。

昇給に関する明示がなかった場合には、求人票や労働条件契約書で該当項目をよく確認のうえ、企業側に情報を明確にしてもらう必要があります。

出典:労働基準法の基礎知識|厚生労働省(PDF)

就業規則で昇給を義務化していない場合は違法性なし

就業規則に「昇給なし」と明記されていれば、企業が昇給を行う義務がないため違法性はありません。

また、「昇給あり」と記載があっても「業績悪化などによりやむを得ない場合には昇給を行わない」というような条件が追加されている場合には、該当する事情により、昇給が行われなくても違法ではありません。

昇給ありなのに昇給しない場合に考えられる理由

昇給ありなのに昇給しない場合に考えられる理由

昇給ありなのに昇給しないと、企業に対して不安や不信感を抱いてしまいがちです。どのような場合で昇給されないのでしょうか。自身の状況と照らし合わせながら、読んでみてください。

ここでは、昇給ありなのに昇給しない場合に考えられる理由について紹介していきます。

会社の収益が上がっていない

会社の収益が低いと、全社員への給料や毎月の支払いで精一杯になってしまい、昇給分のお金の工面が困難になってしまいます。このような状況では、昇給が延期されたり、最悪の場合には昇給がなくなったりすることもあるでしょう。

自分の実績が昇給の基準を満たしていない

自身の実績が昇給の基準をしっかり満たしているでしょうか。自分の能力不足が原因で、昇給ありなのに昇給しない場合があります。

日頃の業務実績だけでなく、勤務態度も加味して昇給が判断されることも多く、昇給しない理由が自分にないか、仕事に対する姿勢について改めて考えてみることも大切でしょう。

既に昇給の上限に達してしまっている

企業の賃金制度によって既に昇給の上限に達してしまっているために、昇給しない場合もあるでしょう。定期昇給制度を採用している企業の場合、目安として45歳から55歳の間で昇給の上限設定を設けている場合もあります。

そのようなケースの場合には、現職の就業規則にて昇給の種類や昇給の上限を再度確認する必要があるでしょう。

昇給ありなのに昇給しない場合の4つの対処法

昇給ありなのに昇給しない場合の4つの対処法

昇給ありなのに昇給しない場合、自身で対処できることはあるのでしょうか。昇給が見込めない場合には、行動を起こして現状を変える必要があるでしょう。

ここでは、昇給ありなのに昇給しない場合の4つの対処法を紹介していきます。

1:業務の改善や効率化を図る

まずは、自分の働き方を見直すところから始めてみましょう。業務に対する自己評価が高くても、上司や会社から適切に評価されないと、昇給は見込めません。

担当業務を通して会社にきちんと貢献できているか、会社が求めている働きにしっかり応えきれているかなど、自身の業務に対する姿勢を客観的に見直してみてください。業務の改善や効率化を図ることで、昇給の可能性も見えてくるでしょう。

2:昇給について直接上司に交渉する

昇給について不満や疑問があるならば、直接上司に交渉してみるのも1つの対処法でしょう。

交渉する際には攻撃的にならず、これまでどのような実績を残してきたかを具体的に説明したり、担当する業務が昇給に値する理由を冷静に示したり、謙虚な気持ちで話し合ってみてください。

交渉を通して、昇給のための改善点を直接指導してもらえたり、よりやりがいを感じる新しいプロジェクトに参加する機会を与えられたりすることもあるでしょう。

3:昇給制度を導入している会社へ転職する

昇給ありなのに昇給がない場合には、昇給制度を導入している会社への転職も検討してみましょう。昇給することで、「残業代」「賞与」「退職金」のアップも見込め、生涯賃金が改善する可能性があります。

昇給ありの会社に転職する際は、現職の給与規定や評価制度と比較してみましょう。

4:副業で収入を得る

副業からの収入で昇給しない分を補うのも選択肢の1つです。新しいスキルが身につく仕事や前から気になっていた仕事を選んでみても良いでしょう。

ただし、企業によっては副業が認められていない場合もあるため注意してください。特に、現職と同業種の副業は情報・技術の流失により不利益を被りやすいため、副業を禁止としている会社もあります。

副業を始める前には、現職の職務規定を十分に確認するようにしましょう。

昇給ありなのに昇給しない場合はその原因を追究し対処しよう

昇給ありなのに昇給しない場合はその原因を追究し対処しよう

いかがでしたでしょうか。この記事では、昇給ありなのに昇給しない理由やその際の対処法を中心に紹介してきました。

毎日一生懸命頑張っているつもりでも、昇給がないとモチベーションも下がってしまいがちです。できるだけ早く昇給するために、まずは原因を追究し、今後どのような行動をとれば良いか1つ1つ丁寧に考えていきましょう。

それでも昇給の望みが低い場合には、転職も視野に入れて検討してみてください。

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

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